スポーツ少年団活動の原則
| 1 スポーツ少年団の意義 |
| 日本スポーツ少年団誕生の背景には、我が国のみならず欧米先進国にも共通に見られる時代の変化があります。
それは、科学技術の進歩による機械化、合理化が職場や家庭にも広がり、人間が身体を使う労働を必要としなくなった結果、運動不足や人間疎外などをもたらし続けてきたことです。 このような大きな問題を解決する一つの方法として、スポーツの必要性が叫ばれ人々は自らスポーツに取り組むようになり、これがスポーツの普及・大衆化につながってきました。 かつてスポーツは、学校や一部企業クラブの人たちを中心に進められてきましたが、最近はママさんパレーボールやゲートボールなどに見られるようにスポーツの基盤を地域におく活動も多くなりました。 スポーツ少年団は地域に生涯スポーツのためのクラブづくりをと、第一歩を踏み出し全国規模で発展させて きた組織と言えます。 スポーツ少年団は設立した当初から”自分達のスポーツは、自分達の手で”という自主・自立の精神で進んできました。学校のクラブやスポーツのチームと違ってスポーツ少年団は年齢も能力も異なる、様々な少年少女たちによって構成されていることが特徴で、地域に開かれた子ども社会をつくり、相互学習ができるところに価値があります。 スポーツ少年団は、チャンピオンをつくることを目指すのではなく、活動は団員自身の自主性によって成り立ち、誰のためでもない、団員自身の為だけにあるということを強調して活動を進めています。 また、団活動はスポーツ活動のみならず文化活動、野外活動、小さな奉仕活動や国際交流活動にまで、幅広い体験学習の場を設定して地域の人間性豊かな多様な指導者の協力を得て進めてゆきたいと考えています。 |
| 2 スポーツ少年団の育成 |
| スポーツ少年団が全国で焼く100万人の団員をかかえる組織に成長した今日、青少年健全育成において社会的に高い評価と大きな期待が寄せられています。それに答えるためには次の原則を守っていきたいと考えています。 第一は、個々の団員が日常の団活動に満足し、進んで参加するという少年団の育成です。 スポーツ少年団は一部の特別な能力を持ち合わせた者だけのグループではなく、またチャンピオンになることだけを目指した集団でもありません。個々の団員の特性をよくつかみ、より高いレベルに長期計画をもって育て上げていく教育活動を行っているのです。 第二は、団員の父母から信頼と期待が得られる少年団の育成です。スポーツ学校や塾ではなく、心身のバランスのとれたよりよき社会人、生涯に渡ってスポーツを愛好し続けられる人を育てていくことで、期待に答えていきます。 第三は、当事者だけでなく学校や地域に門を開き仲間を受け入れ、地域の中で信頼と協力が得られる少年団の育成です。 そのために少年団の活動は、学校や地域の活動と連携して活動を進めていきます。 |
| 3 スポーツ少年団の種類 |
| いま、スポーツ少年団に入ってスポーツをしている仲間達は、全国に3万4千ものスポーツ少年団そしてそこに入っている仲間たちは約91万人もいます。 全国的に見ると団活動の場や設備、指導者などの人的条件と地域特性から多様なスポーツ種目を行う団が生まれました。(約45種類)活動の特徴から分けてみると、2つに分類されます。 ○単一種目型の少年団・・・・・主となるスポーツを中心として、年間活動する少年団 ○複合種目型の少年団・・・・・数種目のスポーツを平行したり、シーズンに分けて年間活動する少年団 (約5500団19万人) |
| 4 スポーツ少年団の組織と運営 |
| @単位スポーツ少年団 スポーツ少年団は、原則として小学生以上のスポーツ好きな仲間が10人以上と20歳以上の成人指導者1名以上で構成されます。そして所定の申請手続きにより各市町村(本部)→各都道府県(本部)を経て日本スポーツ少年団に登録し認定されることによって○○スポーツ少年団(Junior Sports Club)と称することが出来ます。 団員は、毎日顔を合わせることのできる位の地域(小学校区や中学校区など)を単位することが望ましく年齢は小学生から なら誰でも加入できます。活動は団員の自由時間を使って行われます。団には、活動に必要な経費も含め登録費と団費を納め、それを団の規約に基づいた会計係が活動計画と予算に従って経理します。団費は団の活動内容によって異なりますが、おおよそ、100円〜1000円位になります。また合宿やキャンプなどの行事費は、参加費として別に徴収したり、積立てる方法もとられています。 このような団費は通信連絡費や派遣交通費、会場使用料、広告活動費、謝礼、用具購入費などの団の共通経費として使われます。団の名称は全国的に見ると地域名を付けた所が多く見られますが団員がなじみやすい名がいいでしょう。スポーツ少年団は立派な青少年の社会教育団体ですから、団の運営は基本的には団員によって、それぞれが平等な役割を担って活動しなければなりません。そのために、約束事を文章化した団則(規則)をつくり、総会を始めとする班長会や係別の運営会議などを開き公平の原則で進める必要があります。目的と目標も団員一人ひとりに分かりやすく文章化して活動を計画的に行うことが必要です。しかし、少年少女たちには成人の指導者が必要です。 指導者には団を統括する指導者、スポーツ等の技術指導者、運営や生活指導などに関わる育成指導者などが必要です。団の規模に応じた人数で役割分担しあうことも大切です。また、団員たちの目標となる年長団員をして、ジュニア・リーダーやシニア・リーダーが多く育ち、お兄さん、お姉さんとしての役割を果たしてくれると団員たちの自主性が発揮しやすくなります。 |
| A市区町村の組織と役割 スポーツ少年団は市区町村ごとに連合組織をつくり、それを「○○市スポーツ少年団(本部)」と称します。(本部)では単位スポーツ少年団の代表やスポーツ関係者、青少年団体・学校・行政関係などの学識経験者を交えた構成で本部委員会を設置しています。 本部委員会はスポーツ少年団の育成方針を定め、そのための事業と予算をたてます。主な事業は、 (1)単位団づくりと育成援助 (2)指導者・リーダーの養成と組織強化策 (3)交流団体とその受け入れ、派遣事業 (4)広報活動 (5)育成母集団の育成と研修 (6)財政の確立 などです。各事業に当たっては、専門部会や指導者協議会、リーダー会が中心となりますが、体育協会、学校、PTA、町会、行政などの多くの人たちの理解と協力を得て実施します。 |
| B県・全国の組織と役割 都道府県には、市区町村(本部)を統合する都道府県スポーツ少年団(本部)があります。 県レベルにも市区町村と同じような本部委員会が設置されています。そして各都道府県スポーツ少年団は日本スポーツ少年団へとつながり、全国組織となります。都道府県(本部)や日本(本部)の運営と事業は団員や指導者の登録料や参加負担費をもとに、文部省や教育委員会、公益法人などの補助金や助成金などによって行われています。都道府県(本部)と日本(本部)は協力して次のような事業を行っています。 ◎指導者・リーダー養成関係事業(認定育成員要請講習会兼少年スポーツ指導者要請研修会・ 認定員養成講習会(各県)・スポーツ少年団指導者全国研究大会・全国指導者協議会・シニア リーダースクール・ジュニアリーダースクール(各県)・全国スポーツ少年団リーダー研修大会) ◎国内・国外交流関係事業 (全国スポーツ少年大会・全国スポーツ少年団競技別交流大会・スポーツ少年団ブロック大会・ 日独スポーツ少年団同時交流(派遣・受入)日独スポーツ少年団指導者交流(派遣・受入)・ 日中青少年スポーツ団員交流(派遣・受入)・日中青少年スポーツ指導者交流(派遣・受入)) ◎広報出版関係事業(機関誌の発行・各種視聴覚資材やパンフレット等の作成) |
| 5 単位スポーツ少年団の活動 |
| スポーツ少年団の活動はメンバーの年齢や能力に応じて、目的と目標をもって計画的に進めます。 |
| @団活動の時間と回数 日常的な団活動は週1〜3回、一日約1〜2時間位が望ましいでしょう。他に特別行事(合宿やキャンプ体力テスト会、親子運動会、交流大会など)は、夏休みや春休み、日曜日、祝日などに行われます。単位団は市区町村(本部)、都道府県(本部)を通じて日本(本部)につながる全国的な組織の一員でから各本部の実施する行事に進んで参加することが大切です。各団では目標をたて、年間計画、月間計画に基づき団員たちに無理のない範囲で多くの活動に参加させ、体験学習ができるようにしています。団員たちはスポーツ少年団に所属しても、学校や地域の一員であり、何よりも家族の一員ですから、その役割もきちんと果たさなくてはなりません。そのために、自分の自由時間の使い方を、家族や学校、地域社会の行事計画と調整して組み立てていくことが大切です。 |
| A団活動の内容 団活動の内容は主としてスポーツ少年団の練習や交流活動を50%〜70%とし奉仕活動、野外活動体力テスト、レクレーション活動などの少年期に必要な活動を班活動、係別活動にも重点をおいて総合的に行います。係や班の活動では班長会、記録係、広報係、用具係、美化清掃係、会計係などの活動があります。スポーツ少年団では人と人とのふれあいの場を大切にしています。そのために、新入団員歓迎会やお誕生日会、親子スポーツ交流会、地域の青少年行事への参加なども積極的に計画に取り入れています。リーダーや指導者はこれらの行事を実施したり日常活動を円滑に行えるよう、様々な講習会や研修会に参加し、資質の向上に心がけています。 |
| 6 リーダー・指導者の役割 |
| スポーツ少年団が子どもたちの自主的な活動をする団体であるといっても、その運営のしかたや活動の計画と展開、対外的な交渉などは大人の指導者に頼らなくてはなりません。特に活動の計画と展開、グループワークなどでは年長のリーダーがいなくては、スポーツクラブとしてのよりよい活動はできません。 |
| @リーダー リーダーは本来その団の団員の中から、自然にリーダーに育っていくことが望ましいのですが、最近では進学や親の転勤などで移転した先で、高校生や大学生がボランディア活動としてスポーツ少年団のリーダー役を努めてくれるケースも増えています。リーダーとは年少の団員たちにとって、お兄さんお姉さん的な人、活動をリードしてくれる人、話を聞いてくれたり話し合いの方向づけやまとめをして、くれる人であり、団員たちの身近な目標となる人です。リーダーは、交流活動の計画、準備、実施などにおいて、なくてはならない存在です。また団員と指導者や育成母集団の間にたってパイプ役も努めます。なかには自分の経験を活かして、実技指導にあたることのできるリーダーもいますが、あくまでも団員たちの目標となる人であって指導者と違った役割を担っています。リーダーを育てるために、リーダー制度に基づいた養成研修会が開催させています。しかし、リーダー育成には何よりも団の指導者と育成母集団の方々の理解と協力が必要です。 |
| A指導者 単位団には三つのタイプの指導者が必要となります。 ○団指導者ー団を組織し運営の中心となる代表者 ○特技指導者ースポーツやレクレーション活動などの実技指導者 ○育成指導者ー団の運営や活動の条件を整えてくれるマネージャー的な指導者 さらに単位団だけでなく市区町村(本部)や都道府県(本部)などの役員も交代で務めます。 団の組織と運営がきちんとできて、その上活動内容も豊富にするには、指導者の資質を高めなければなりません。日本スポーツ少年団は指導者制度に基づく養成研修会を設け、1団1有資格指導者(認定育成員・認定員)必置を方針としています。「認定員資格」は都道府県(本部)が行う所定の講習会を受けることによって得られます。 |
(日本体育協会日本スポーツ少年団より抜粋)